住み替えやリフォームに、せっかく貯めた預金をはたくのは痛い。超低金利だからローンを組もうか、と考える人もいるだろう。
しかし、50代になって新たなローンを抱えるのは厳しい。資金が足りずにローンを使うというなら、60歳までに完済できるのか、老後資金への影響も合わせて十分に検討しよう。預金があるなら、それで払うのが原則だ。
資金に余裕がある場合で“運用に自信がある”という人なら、預貯金を残し住宅ローンを借りて運用する方法もある。たとえば2000万円の資金があり、そのうち1000万円が余裕資金というのなら、1000万円までの範囲内で年1.9%のローンを借りる。ローンに対し1%の住宅ローン控除が受けられれば、その間は年0.9%以上で運用できれば有利、という計算だ。
借金で運用する以上、ローン金額は資産のうち余裕資金の額以下にとどめること。また、60歳になる前にローンを全額返済するのも前提条件だ。
(取材・文=有山典子)