コロナの影響で外資系航空会社では大規模なリストラが進んでいる。ニュージーランド航空の元客室乗務員、高田あつこさん(46)もその一人だ。高田さんは「最初は急な展開にショックを受けて落ち込みました。でも今は前向きに考えています」と話す。航空ジャーナリストの北島幸司氏が取材した——。
経営危機に直面するエアライン……海外では人員削減の嵐
新型コロナの感染拡大の影響で、利用客が激減した航空業界は前代未聞の経営危機に陥っている。ANAやJALなどの日系エアラインは銀行からの借り入れで急場をしのいでいるが、リストラで人員削減になるのも時間の問題だろう。
海外ではすでに経営破綻した航空会社もある。4月には豪州のヴァージン・オーストラリアやANAと同程度の輸送量を持つ欧州LCCのノルウェイジャン(ノルウェー)が、5月にはアビアンカ航空(コロンビア)が破綻。世界のフラッグキャリアで初めてタイ国際航空(タイ)が会社更生手続きの申請を行うことが決まった。
資金繰りの悪化などから大規模なリストラも行われている。海外大手のルフトハンザ航空(ドイツ)は社員全体13万7500人の20%にあたる2万7000人の人員整理が行われている。海外でリストラの嵐が吹き荒れている。
その「標的」となった日本人の客室乗務員(CA)がいる。ニュージーランドのフラッグキャリア、ニュージーランド航空に勤務する高田あつこ(46)さんだ。50人のCAを束ねる、同社初の日本人キャビンクルー・チームマネージャーだったが、4月にリストラを言い渡された。