空を飛び続けて46年、乗務時間は3万時間を超えた。新型コロナウイルスによる大減便で、乗務の機会が減って自宅待機が続いていた。それでも、全日本空輸(ANA)客室乗務員の小俣利恵子さんは「長く働いているといろんなことが経験できますね」と前向きだった。連載ルポ「最年長社員」、第9回は「客室乗務員」——。
全日本空輸(ANA)客室乗務員の小俣利恵子さん
撮影=遠藤素子
全日本空輸(ANA)客室乗務員の小俣利恵子さん

コロナで運休、減便……最年長客室乗務員の今

19歳で「スチュワーデス」となった女性が64歳の今も空を飛び続けている。その間に呼び名は「キャビンアテンダント(CA)」に変わり、若い女性だけだった職場にも老若男女がそろう。「辞めたいと思うようなことは何もなかった」。天職を歩んだ人生だった。

新型コロナウイルスの感染拡大で大幅な運休、減便が実施されていた7月も全日本空輸(ANA)の客室乗務員、小俣利恵子さんは勤務に就いていた。取材した7月16日の翌日は羽田―沖縄間の往復勤務。10日ぶりの勤務だった。もちろんコロナ禍の前に比べれば勤務日数は激減している。

「こんなに飛べないまま定年を迎えるのかしら?」

小俣さんは笑ってみせるが、空に憧れ続けたCA人生のエンディングとしては少し残念だろう。

同期のCAが8月に退職。小俣さんは約9000人のCAの中で最年長となった。雇用延長制度で65歳になる来年2月まで働く。あと半年の間、最年長社員として飛び続ける。これまでの乗務時間はすでに3万時間を超え、定年までには3万1000時間を突破しそうだ。