小さな企業でも有意義な調査は可能

調査は、ビジネスに必要な情報を収集する重要な手段の1つである。正しく調査すれば、新製品その他に伴うリスクを低減し、従業員や顧客、市場に関する見識を深め、宣伝や広告などのコミュニケーションプログラムをターゲット層にふさわしいものにすることが可能だ。だが間違った調査を行えば、戦略が軌道を外れ、見当違いのマーケティングや顧客サービス、コミュニケーションプランを生んでしまう。

必要な情報を確実に得られる調査を実施するには、まず第1に、目的を明確にし、調査でできることと、できないことを把握しなくてはならない。

高度な統計分析によって、調査が発揮する効力は高まる。かつては、調査は複雑かつ時間を要したが、実施できる企業は一握りに限られていた。しかし、処理能力が向上し、コンピュータ支援電話インタビュー(CATI)のような新しいテクノロジーや手頃な分析用ソフトウエアが登場して通信コストも低減したため、どんなに小規模な企業や部署でも意味のある調査の実施が可能になった。

 『顧客調査:サービスマネジャーのためのガイドブック(Customer Surveying: A Guidebook For Service Managers)』を書いたフレデリック・C・ バン・ベネコムは、「一般的に、企業による調査は、市場やさまざまな関係性、日常業務を理解することを目的としている」と言う。市場調査は商機や顧客から求められている条件を明らかにするのが目的である。

顧客や従業員の調査では、顧客と企業、従業員と企業との関係について調べ、長所と改善が必要な部分を明らかにするのが一般的だ。また、日常業務の調査は、顧客からの購入目的あるいはアフターサービスの電話に対する対応の品質管理機能も果たす。

こうした調査を長期的に行うことで、コミュニケーションやその他のプログラムの効果を実証することもできる。

以下、「使える」情報が得られる調査の秘訣を紹介しよう。