●目的を明確に定義する
その調査結果によってどのような問題が解決されるか。いかにして結果を決定や運用に活かすのか。「多くの場合、目的を細かく規定しないまま質問を作成するというミスを犯す」とアメリカ統計協会調査審査委員会のロバータ・L・サングスター委員長は言う。指標としての目的がないと、質問が的外れになり、調査が煩雑になり、問題解明に役立つ結果は得られない。
また、明確に定義された目的がないと「知っておいても悪くない」程度の質問で調査が長くなり、そのぶんコストが上昇し、分析も複雑になって回答率も低下する。理想的なアンケート調査は、12~15分以内で答えられるものだ。サングスターは、アンケートの長さを限定するため、質問作成前に以下の点を点検することを勧めている。
□ 質問から得られる情報は目的を達成するためにどの程度役立つか
□ どこまで詳細な情報を必要としているのか
□ 望ましい情報をほかでも得ることができないか
目的が複数設定されるような「委員会型」調査は避け、調査が複数のパートで構成されている場合は、いくつかの独立した調査に分けること。例えば、終日かかるイベントの参加者からフィードバックを得たい場合は、アンケート調査を複数に分けて、受付時や昼休憩など状況に合わせて配布する。
また、目的がはっきりしていないと、結果の分析に手間取ることにもなる。1つの質問に対して、単独で検証する場合や他の質問と組み合わせて検証する場合があるので、ちょっとした調査の結果でも膨大な情報量になってしまう場合があるからだ。調査の焦点を絞るような目的が設定されないと、クズ情報と本当に重要な情報を見つけるのは難しい。