●適切な調査手段を選択する

従来、調査は郵便や電話、面談によって行われてきたが、ウェブやメールを利用した調査も普及してきている。一般的に実施費用は、郵便が最も少なく、面談が最もかかる。いくつかの方法を組み合わせることもできる。

メールで調査を実施する場合には、回答者に事前に承諾を得ないまま送信するとジャンクメールを送ったとして非難されかねないので注意したい。

 

●プロジェクトは入念に管理する

アンケートは、作成してテストするだけでは十分ではなく、最小限のエラーで最大の回答率になるように行わなければならない。プロによる調査では回答率50~60%を合格ラインと考えている。郵便による調査については、まず前置き的な案内、次に個別対応の手紙を添えたアンケート、最後に感謝状か催促状を送り、回答がなかった場合には数週間後にアンケートを再送付するという4段階のプロセスを踏むことを、専門家は推奨している。

また、プロジェクトを効果的に管理するには、回答者のサンプルに再度連絡を取って調査に瑕疵がないことを確かめるデータチェックも必要である。

 

●調査結果を効果的に提示する

調査結果は顧客や従業員、対象層にプラスになるような行動につなげなくては意味がない。経営幹部のデスクの上にドサッと置かれた分厚いレポートの中に重要な調査結果が埋もれてしまっては宝の持ち腐れだ。目的に関係ある重要なポイントを抜粋し、できれば見やすい図表を添えて、それらが明確に伝わるようにすること。学者好みの難しい調査用語は避ける。

調査の結果が出た時点で仕事が終わるわけではない。「回答者は何を求めているか」が調査でわかったら、「いかに回答者を満足させるか」を決定する仕事が待っている。

※参考文献
Customer Surveying: A Guidebook For Service Managers by Frederick C. Van Bennekom(Customer Service Press 2002)

(翻訳=ディプロマット)