世の中は理不尽だ。そんな理不尽に挫けそうになったとき、どうすればいいのか。憲政史家の倉山満氏は「そのための武器こそが教養だ。私にそう教えてくれたのは、『僕は君たちに武器を配りたい』(講談社)の著者の瀧本哲史さんだった」と回想する——。
女子学生が書棚から探していた本を取り出そうとしている
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『トップの教養』をつくったきっかけ

このたび、『トップの教養』(KADOKAWA)を上梓した。この本ができることとなった、きっかけを話したい。

同社での前著は『並べて学べば面白すぎる 世界史と日本史』(KADOKAWA)である。私の場合、“重版の打ち上げと次回作の企画会議を兼ねた飲み会”をやるのが常なのだが、そのときに「金をもっているのに教養のないやつらはけしからん」「じゃあ、教養を教えるセミナーをやろう」という話になった。

それが全10回のKADOKAWA教養セミナーである。講義内容は、「古典政治学」「皇室史」「軍事」「地政学」「国際法」「外交とインテリジェンス」「憲法」「宗教」「日本近現代史」「経済」。人の上に立つ人間は、「それぞれの分野でこれくらい知っておかなければ恥ずかしい」という教養を解説するレベルの話をしている。第1期は盛況のうちにほぼ終了し、今年秋口から第2期を開催する。