日本はいつまで「男尊女卑」を続けるのだろうか。ドイツ育ちの作家サンドラ・ヘフェリン氏は「日本人には『それぐらい、女がやるべき』という潜在意識がいまだにある。だから家庭に食洗機すらおけない。このままでいいはずがない」という――。

※本稿は、サンドラ・ヘフェリン『体育会系 日本を蝕む病』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

ゴミと一緒にアジアの主婦
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日本は主要先進国7か国でダントツ最下位

毎年暮れが近づくと発表される「世界の男女平等ランキング」。19年、ドイツは153か国中の10位でした。

一方のニッポンは121位。お尻から数えたほうが早い結果となってしまいました。この順位は日本として過去最低であり、今回ももちろんG7の中でダントツ最下位です。

ニッポンの場合、女性に大卒が多く、医療へのアクセスも良く、「教育・医療」の面で女性はあまり差別されていないという結果が出ています。もっとも大卒が多いとはいえ、医学部の受験の際、女性だけ減点されていたという騒動もありました。

そんな課題は残るものの、今の時代、「女の子だから大学に行かなくても良い」と考える人はさすがにあまりおらず、広い意味で言えば日本の女性は教育面で恵まれています。

医療に関しては、たとえばイスラム教の一部の国の地域では、地域に男性の医者しかいなかった場合、「女性が男性に身体を見せるのは避けるべき」という考えのもと、身体の具合が悪くても病院に行かせてもらえないという現状があります。

一方、日本では、まさに男女関係なく誰でも簡単に医療にアクセスできます。特に都心では医者など選び放題ですし、幸いなことに「女の子が男性の医者にかかるのは…」などと考える親はあまりいません。

もちろん、婦人系の診察にかかる時など、女性が自ら「男性ではなく女性のお医者さんに診てもらいたい」と望むケースはありますが、女医さんも多いですし、医療の機会について特に問題はないわけです。