「それぐらい、女がやるべき」という潜在意識
ただそういった事情を考慮するとしても、問題だと思うのは、日本には「食器洗いぐらい自分でやるべきだ」という雰囲気がまだまだ残っていること。そしてここで言う「自分」というのは「その家の女」を指しています。
自分では食器洗いをしない夫が「食洗機などいらない。それは自分(妻)がやるべきだ」というようなことを堂々と言えてしまうのがニッポンなのです。
現実的に家が狭いから食洗機が置けないということ以前に、当事者でない人からの「それぐらい、女がやるべき」という声が幅を利かせているという現状があるわけです。
②お茶出し
かつて保守的だったニッポンの企業も、最近は「お茶出しは各自で」というところが増えてきています。それこそ、ひと昔前まで存在していた「お客様には女性がお茶出しを」とか「男性社員の分のお茶は女性社員が出す」という「暗黙の了解」が崩れてきたのは良いことです。
そんな中でもたまに、びっくりするような発言に出合うことがあります。先日、ある女性と雑談をしていたところ、彼女は言いました。「男性って、トイレから出た後は、手を洗わない人が多いから、私はやっぱり女性が入れたお茶を飲みたいって思うなあ」と…。
まあ一部の男性を観察していると、トイレの件は当てはまる人もいますが、この手の思考回路があるから男女平等はなかなか進まないのだな、なんて思ってしまいました。
この女性の言うことが仮に当たっていたとして、「男性が出すお茶は汚い」からと女性がお茶出しに精を出したところで、女性にとって「将来的に得なこと」なんて何一つありません。
それどころか、大げさかもしれませんが、この手のことに真剣に取り組んでいては、男女平等からは遠ざかるばかりです。これ以上ランキングが下がってどうするというのでしょうか。
「なんだかんだ理由をつけて女性にやらせようとする」現象
しかし、そのことには注目せず、先ほどの食器洗い機の件のように「なんだかんだ理由をつけて女性にやらせようとする」現象が今の日本にも確かに存在するのでした。残念なのが、決して自分のプラスにならないのに、女性もこの手の思考に巻き込まれがちであることです。
③家事代行サービス
働く女性の家事負担を減らそうと、家事代行サービスをやってくれる外国人に日本にきてもらう計画があるものの、実際のところ、欧米の国々と比べると、日本ではこの家事代行サービスを利用する人は思いのほか少ないです。