聞いたことをそのままメモしない

私が初めて一人旅をしたのは小学校3年生のころでした。お小遣いを貯めて特急に乗り、大宮から宇都宮へ。それ以来、日本各地を食べ歩くのが趣味になり、就職も食品売り場で働きたくて百貨店を選びました。

伊勢丹新宿店 新宿食品・レストラン営業部 営業部長 村山慎一氏
伊勢丹新宿店 新宿食品・レストラン営業部 営業部長 村山慎一氏

当時の新人は、掃除、試食づくり、ストックの整理の繰り返し。単純に見えるかもしれませんが、覚えなくてはいけないことが多く、メモは必須でした。使っていたのはミニ6穴のシステム手帳です。食品売り場は毎年同じようなスケジュールで動くため、過去2年はさかのぼって確認できたほうがいい。その点、中身を自分でアレンジできるシステム手帳は便利でした。当時のメモの内容は多岐にわたりました。品番や内線番号といった業務上欠かせない情報や、仕事で気づいたこと、自分の気持ちなどを書いていました。

入社5年目、私はアシスタントバイヤーとしてお中元やお歳暮の商品コントロールを配送センターで担当していました。ところがある理由から上司の仕事も担うことになり、本来の仕事だけではなく、中元歳暮ギフトカタログ作成とそれに伴う取引先との商談も担当することに。それから2カ月ほどは目が回るほどの忙しさでした。