さらに、ここからは、そもそも戦略に3つの基本パターンが存在することも見えてくる。つまり――、
1、最初から勝利を目指すべきもの
2、不敗を守っているべきもの
3、不敗を守ってチャンスと見たら勝利を目指すもの
自分の目指すべき目標が、この3つの道筋のうち、どれによって達成できるのかをよくよく考えないと、戦略は失敗してしまう可能性が高くなる。
もちろん、この3つには、それぞれ得意とする状況がある。
まず、「最初から勝利を目指す」べきなのは、デパートのバーゲンのような先着順、先手必勝の状況だ。こんなときに不敗でもいいや、などと構えていれば、良い商品はみな他人にさらわれてしまう。
一方、「不敗を守っていればいい」のは、生き残りの環境が厳しく、無理をすれば脱落しやすい状況だ。
たとえば離職率が高く、足の引っ張りあいの激しい職場では、あまり目立たず、敵をつくらなかった人物が最後に役員におさまりがちだったりする。無理に勝ちを目指して脱落するよりも、「不敗」を守ったほうが最後に笑いやすいわけだ。
では、3番目の「不敗を守ってチャンスと見たら勝利を目指す」のがいいケースとは――。
これは、「生き残りの環境がそれなりに厳しいが、チャンスも定期的に巡ってくる環境」となる。多くのビジネスパーソンは、まさにこうした状況に立たされているのではないだろうか。