上海進出を成功させた似鳥会長の言葉

さてこのように順調なサイゼリヤの経営ですが、過去には何度も壁にぶちあたったことがあるそうです。その中から一問。

問題4:サイゼリヤは2003年に経済発展まっただなかの中国・上海に進出します。これなら中国でも成功すると考えたうえでの出店でしたが、結果としてお店は閑古鳥。どうやって利益を出すか現地の店長があれこれアタマをひねって考えたのですが、最終的には「創業者の英断であることを決めた」ことで道が開けたそうです。それは何でしょう?

実はこのアイデア、正垣会長の長年の友人であるニトリの創業者・似鳥昭雄会長のアドバイスだったそうです。似鳥会長は「経済発展中の上海でお客さんが来ないということは、価格がまだ中国の庶民から考えれば高いということだろう」とアドバイス。それを受けて正垣会長は創業時と同じことを行います。上海店のメニューの価格を7割引きにしたのです。

その結果、お店は繁盛店となり、中国でも高級店しかなかったイタリア料理専門店が大衆化するきっかけをつくることができたといいます。

サイゼリヤは2019年8月期のデータで国内1083店、海外411店とグローバル企業としての存在感も増している状況です。もともと創業期から「チェーン経営が成功するためには1000店規模が必要だ」と言い続けていました。その根拠も理系らしい理詰めの分析から。そして2013年に1000店の目標を達成しています。

理詰めで考え行動し、結果を出す。理系企業のサイゼリヤからはたくさんのことが学べるのではないでしょうか。ぜひみなさんもお店をじっくり観察してみてはどうでしょう。

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