コンビニ店主の窮状が盛んに報じられている。弁護士の明石順平氏は「コンビニ本部の進める集中出店で、一部のオーナーは共食いを強いられている。追い詰められた家族からは自死も出ている。儲かるのは本部だけだ」という――。
※本稿は、明石順平『人間使い捨て国家』(角川新書)の一部を再編集したものです。
増えまくるコンビニ
コンビニをはじめとするフランチャイズの店舗数について、2003年=100として指数化したものの推移を見てみよう。
見てのとおり、他のフランチャイズと比べてコンビニ店舗数の増加が著しい。2003年と17年を比較すると約1.4倍に増えている。このコンビニの増加は、小売分野の労働者数増加に大きく影響している。業種別雇用者数について、2012年から2018年の増加数を見てみよう。
医療、福祉がダントツの1位で、これは明らかに高齢化の影響と言えるが、2位につけているのが卸売業・小売業である。これはコンビニの増加が大きく影響しているだろう。
平成28(2016)年経済センサスによれば、コンビニの就業者数は65万0578人。そして、コンビニの数は4万9463。すなわち、1店舗当たり約13人。店舗が1つ増えると、オーナーを除けば12人も雇用者が増える計算となる。
コンビニが全国の至るところで増えていることが大きく影響し、卸売・小売が雇用者数増加で2位になっていると言える。