ステーキチェーン「いきなり!ステーキ」の失速が止まらない。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「販売不振の理由のひとつは、価格の高さだ。度重なる値上げで、強みだった駅前立地での優位性を失った。品質も値段に見合わない。再起を図るには2つの側面から価格を見直す必要がある」と分析する――。
写真=アフロ
いきなり!ステーキ=2020年1月7日

張り紙で肉の硬さを謝罪

ここ数カ月、ステーキチェーン「いきなり!ステーキ」の話題が絶えない。既存店売上高が2019年11月まで20カ月連続で前年割れとなり、販売不振が続いている。特に10月は大型台風の影響もあり、前年同月比で41.4%減の大幅マイナスだ。

こうした状況を受け、運営会社のペッパーフードサービスは昨年11月、全店の1割にあたる44店の閉鎖を発表。昨年12月には客に来店を呼びかける張り紙を店頭に掲出し、話題を集めたことは、以前の記事で触れた〈12月19日財務状況がいきなり悪化「いきステ」の大ピンチ〉。

さらに今年1月には、「一瀬(社長)より皆様へ」として、「ワイルドステーキですが、時々硬いとお叱りを受けておりました。(中略)誠に申し訳無く思います」と、ステーキが硬いことを謝罪する張り紙を店頭に掲出している。