経営学の知見を現場で生かす

ビジネスの企画や管理に役立ちそうだけれど、どこから手をつけていいかわからないのが「経営学」という学問の特徴でしょう。ビジネススクールに通ってMBA(経営学修士)を修得した人でさえ、学んだことをうまく使いこなせていない、と感じることも多いと聞きます。

キャリアを考え、学びを深めようとする者たちがビジネススクールへ通う。(Imaginechina/時事通信フォト=写真)

なぜそのようなことが起こるのでしょうか。それは、経営学がカバーする領域があまりにも広いからです。経営学には、主に次のような6つの専門分野があります。

①経営戦略:企業としてどういう存在になりたいのか、どの戦場で戦うのかを定め、そこで何をウリにするのか、競合とどう戦うのか、どう取り込むのか(M&A)を立案すること。

②マーケティング:各事業で市場や顧客・競合を分析することで、誰に対してどんな価値を売り込むのか、それをどうやったら実現できるのかを4つの対顧客行動(4P:商品、価格、販促、販路)を組み合わせて立案すること。

③アカウンティング:特定の期間中、その企業・事業が儲かったのか否か、資金繰りはどうなっているのかを把握すること(財務会計)と、それらの状況・要因分析を行うこと(管理会計)。