個人レベルでも使えるフレームワーク

このように実際のビジネスと経営学の各専門分野を紐付けることで、個々人の目的に即した学びが実現します。

誰に対して、どんな価値を、どうやって提供するのか、そして採算はどう取るのか。ビジネスはこの4要素で成り立つというフレームワークを把握しておけば、自社や他社のビジネスがどのように成立しているのかを理解し、またどこに課題があるのかを調べることができるようになります。

日本には経営学に関する教育や書籍がたくさんあるのに、現実の組織でその知識があまり活かされていないのは、内容が複雑で難しいために、人にうまく伝えられず互いにコミュニケーションできないからです。しかし、まずはこの4要素さえ押さえておけば、人にも伝えやすいですし、新入社員でも経営の視点を持つことができます。社内で議論する際にも「ターゲットはどうなっているのか」「顧客に何か不満があるなら、バリューを上げるために何をすればいいだろうか」「そのバリューを提供するために、ケイパビリティをどう改善していこうか」といったように、共通言語として活用できます。

さらにこのフレームワークは、個人レベルでも使えます。自分自身は一体、組織や社会の中で、誰をターゲットに、どんなバリューを提供しているのか、そのためにどんなケイパビリティを構築すべきなのか、といった具合に自分自身を“経営する”ことにも役立つでしょう。日本人の「経営力」が上がることを願っています。

(構成=増田忠英 写真=Imaginechina/時事通信フォト)
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