今年6月の完全失業率は5.4%となり、雇用情勢が一段と深刻さを増す中、7月に発表された2009年度の「年次経済財政報告」において、企業内失業者が過去最悪の607万人になったとの推計が明らかになった。
実際の“失業者”はもっと多い可能性も
完全失業者の定義は、「就業しておらずかつ就職活動をしている失業者」。社内の余剰人員となり、一時帰休などの措置を受けている人は「就業者」となるが、彼らは「隠れ失業者」とも呼ばれ、将来的に失業率を押し上げる。「隠れ失業者」が増加したのにはわけがある。昨年12月に休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」の支給要件が大幅に緩和されたからだ。余剰人員を景気回復まで温存したい会社が、助成金を積極的に利用したわけだ。
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