「クリスマスプレゼントに何を選ぶかは、アメリカ次第」
12月に入って北朝鮮がアメリカを揺さぶり、挑発をエスカレートさせている。
一方的に交渉期限を「年末」と設定し、12月3日には北朝鮮の外務省高官が「クリスマスプレゼントに何を選ぶかは、アメリカの決心次第だ」との談話を発表した。
7日と13日には北西部の東倉里(トンチャンリ)のミサイル実験場で「重大な実験」を行い、朝鮮人民軍の朴正天(パク・チョンチョン)総参謀長が翌14日、「アメリカの核の脅威を確実に制圧するためのさらなる戦略兵器の開発に適用されることになる」との談話を発表した。
核抑止力の強化が目的だとの言い分だが、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、国際社会から批判されている自国の核・ミサイルの開発をどう考えているのだろうか。
問題の重大な実験は、アメリカ本土を標的にできる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の改良に向けたエンジン燃焼実験だった可能性が高い。これこそ非核化に逆行した問題である。しかも今年5月以降、短距離弾道ミサイルや大型のロケット砲、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を何発も発射している。
北朝鮮が「年末までに熟考するよう求める」と交渉の決裂を宣言したのは、10月5日にスウェーデンの首都ストックホルムで開かれた米朝実務者協議の場だった。この後から挑発と揺さぶりが続いている。