韓国側から「解決策」の提案は全くなかった
クリスマスイブの12月24日、日本の安倍晋三首相と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、訪問先の中国のホテルで会談した。日韓首脳会談は1年3カ月ぶりだ。
45分間の会談のうち、最も長い15分間を費やしたのが、最悪の日韓関係を生むきっかけとなった「元徴用工問題」についてだった。韓国大法院(最高裁)が昨年10月、旧朝鮮半島出身労働者(=元徴用工)への賠償を日本企業に命じた問題である。
安倍首相はこう語った。
「国交正常化の基礎となった日韓関係の法的基盤の根本にかかわる問題だ。韓国側の責任で解決策を示してほしい」
「差し押さえられた日本企業の資産が現金化されることは避けなければならない」
これに対し、文大統領は次のように応じた。
「問題解決の重要性は自分としても認識しており、早期に問題解決を図りたい」
一見すると、前向きの発言のように受け取れる。だが、文氏から解決策の提案は全くなかった。
報道によれば、韓国政府関係者も「大統領はこれまでの韓国政府の立場を伝えただけだ」と話した。文氏は問題の大法院判決を尊重する立場を変えていないのである。