新疆ウイグル自治区の問題にも触れた安倍首相
安倍首相は12月23日、訪問先の北京で中国の習近平(シー・チンピン)国家主席と会談し、沖縄県の尖閣諸島周辺海域での中国公船の活動や中国での日本人の拘束について習氏に対処するよう強く求めた。
市民による抗議デモと警察の衝突が続く香港についても「大変憂慮している。一国二制度のもと、自由で開かれた香港が繁栄していくことが重要だ」と注文した。
香港の問題を追及したのは実に良かった。習氏の急所だからだ。
安倍首相はさらに新疆ウイグル自治区の少数民族問題にも触れ、「国際社会に対して透明性をもった説明が必要だ」と反省を促した。
沙鴎一歩は驚いた。相手は毛沢東に次ぐ権力者とまで言われるあの習近平氏である。はっきり言って安倍首相がここまで強く注文できるとは思っていなかった。安倍首相を見直した。
「東シナ海の安定なくして真の日中関係の改善などない」
報道を参考にしながら安倍首相と習氏のやり取りを具体的に見てみよう。
安倍首相が北京に立ち寄って習氏と個別の会談を行ったのは、日中韓首脳会談の開催される四川省の成都を訪問する前だった。
実は2人の会談は夕食会も含めて2時間にも及び、日中間の問題をめぐって厳しいやり取りが続いた。
安倍首相は「東シナ海の安定なくして真の日中関係の改善などない」と話し、尖閣周辺での中国公船の領海侵入や接続水域への進入に対して自制を強く求めた。香港については「国際社会も関心をもって注視している」とまで語り、習氏に冷静な対応を求めた。