「社内に活気がない」と悩む経営者やマネージャーが、クリスマスやハロウィーンのパーティを企画することがある。効果はあるのか。マーケティング戦略コンサルタントの永井孝尚氏は「ヒラメキだけでは企画は失敗する。やめたほうがいい」と指摘する――。
※本稿は、永井孝尚著『超実践マーケットイン企画術 7つのテンプレートで「お客様のニーズ」がつかめた』(PHP研究所)を元に書き下ろしたものです。
社長自らサンタクロースになってみたが…
誰でも企画を考える立場にある。実際には企画はとても身近なものだ。たとえば社内パーティには、企画に必要な要素が詰まっている。
「たかがパーティでしょ」
「カンタンじゃん」
と考えて企画をおろそかにすると、イタい失敗を招くこともある。
ある知り合いの社長は、社内の雰囲気がどんよりしていて、社員に活気がないのが悩みの種だった。ネットを見ていたら、こんな記事を見つけた。
「社内イベントは効果絶大。社員の気分が開放的になる。普段と違う仲間の一面も見える。一体感も味わえる。パーティの様子をSNSに投稿すると、会社のいい宣伝にもなる」
ここで社長はひらめいた。
「そうか! 来週はクリスマスだ。最近はオフィス飲みも流行っているし、コレやるぞ」
早速社内に「来週火曜18時から、クリスマスパーティやります!」と告知。
当日は、秘書にスナック菓子、ドリンク、シャンパン、お酒、クリスマスグッズを買いに行かせ、会議室にスチール机とスチール椅子を並べて、机の上にスナック菓子を紙皿で展開して準備万端。さらに社長がサンタクロースに扮して社員にプレゼントを配る段取りまで考えた。