世の中にはたくさんの企画が次々と生まれている。その中にはパクリ企画も多い。しかしほとんどのパクリ企画は失敗しているのが現実だ。マーケティング戦略コンサルタントの永井孝尚氏は「企画の勝ちパターンが変わったことに気づいていないビジネスパーソンが多い」と指摘する——。

※本稿は、永井孝尚著『超実践マーケットイン企画術 7つのテンプレートで「お客様のニーズ」がつかめた』(PHP研究所)を元に書き下ろしたものです。

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「何かを変えること」が本質である

私は仕事柄、これまで多くの企画を見てきた。日本IBM社員時代は、本社や他事業部の事業戦略。マーケティング専門職のプロフェッショナル認定審査をしていたので、彼らが作る企画を審査することもあった。独立後は、様々な業界のクライアントの事業企画を見ている。

多くの企画は、市場や自社の状況を丁寧に分析している。そして最後はキレイな言葉で締めくくられている。たとえばこんな感じだ。

永井孝尚著『超実践マーケットイン企画術 7つのテンプレートで「お客様のニーズ」がつかめた』(PHP研究所)

「世界ナンバーワンを目指し、新たな顧客を創出し、収益を確かなものにする」

これでは、何をするかがまったくわからない。いくら企画書を読み込んでも、どんな問題を抱え、その問題解決のために、何をどう変えるのかが、さっぱりわからないことも多い。

私は企画を作ったご本人とお話しすることも多い。

「問題が何で、何がどう変わるかがよくわからないのですが……。現状のままでいいということですか?」
「確かにビジネスは低迷していますが、今の体制やビジネスのやり方は問題ないと考えています」

こうして作った企画は、企画とは言えない。企画の本質とは「何かを変えること」だ。

・どんな問題があるのか?
・その原因は、具体的に何なのか?
・その原因を、具体的にどのように解決するのか?
・その結果、具体的に何がどう変わるのか?

要は「何をしたいのか?」「どうしたいのか?」を明確にするのが、企画の役割である。