「何をしたいのか」に答えられないビジネスパーソン
多くのビジネスパーソンは真面目に目の前の仕事に取り組んでいる。しかし「何をしたいのですか?」「どうしたいのですか?」と聞くと、ほとんどの人は考え込んでしまうのが現実である。問題意識と仮説を持たないまま、目の前の仕事を、言われたとおりに一生懸命に行っているのだ。
一昔前までは「やること」が明確だったので、これでもよかった。求められるのは「効率」。言われたまま頑張れば報われた。たとえてみれば、登るべき山は明確であり、その山に一番乗りを競って頑張っていた。だから言われたとおり頑張る人材が評価され、現状に問題意識を持つ人材はむしろ敬遠された。
今は世の中がますます複雑になっている。そもそも何をやればいいか、皆が困っている。だからまず、どの山に登るか、そしてどう登るかを、決める必要がある。
この「どの山に登るか?」が問題意識で、「どう登るか?」が仮説である。
問題意識と仮説を決めるのが、企画なのだ。
では、企画はどのように考える必要があるのか?
「どこかで見たような企画」は失敗する
どこかで見たような企画を考える人がいる。あるいは成功したライバルのアイデアをそのままパクって企画に仕上げる人もいる。たしかにかつては、パクリ企画でも、相手よりも頑張れば、そこそこうまくいくこともあった。
しかしいまや、パクリ企画が成果を挙げたという話はほとんど聞かない。顧客が求めることは、いまや多様化している。いまの顧客は既にどこかで見たことがあるものには目もくれない。現代では、パクリ企画が成功するわけがないのだ。
ではどうするか? 筋がいい企画を立てることだ。
筋のいい企画とは「みんなが欲しいけれども、ありそうでないもの」だ。そんな企画は、人をワクワクさせ、人を動かし、成果を生み出す。「そんな企画を考えるのは至難の業だ」と思うかもしれない。しかし考え方を変えれば、できる。