「将来の首都」東エルサレムで加速する“ユダヤ化”

イスラエルが揺れている。パレスチナへのユダヤ人入植に対する国際的な批判が高まり、これを進めるネタニヤフ首相は、汚職などで辞任圧力が強まっている。先日、米国政府がイスラエルのヨルダン川西岸地区におけるユダヤ人入植活動は、「国際法に違反しない」として事実上容認し、物議を醸したのも記憶に新しい。イスラエル政府は西岸の一部併合すら打ち出している。
一方、パレスチナ自治政府が将来の独立国家の首都とする東エルサレムでは、“ユダヤ化”が加速している。現地では驚くべきやり口でパレスチナ人の土地が入植者の手に渡っていた。その実態について、朝日新聞元エルサレム支局長・渡辺丘氏の著書『パレスチナを生きる』(朝日新聞出版)から一部を抜粋・再構成して紹介する。
撮影=渡辺丘
エルサレム旧市街のイスラム教徒地区を歩くユダヤ人と、掲げられたイスラエル国旗。旧市街でもユダヤ人入植者が増えている=2017年5月