東京は世界で唯一のネパール人学校があるなど、今やさまざまな国と地域の人が暮らす多国籍都市だ。彼らが住む街ではどんな変化が起きているのか。外国人移住者がどんどん増える背景を、NHK取材班が追った——。(第2回/全3回)

※本稿は、NHK取材班『データでよみとく 外国人“依存”ニッポン』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

写真=時事通信フォト
大勢の人が訪れる新大久保の大久保通り(東京都新宿区、2019年8月5日)

約180の国と地域の人が東京で暮らしている

東京23区には2019年1月時点で約46万5000人の外国人住民が住んでいる。これは日本に住む外国人の19パーセント程度にあたる。今回は東京都が公表している、各区に住む外国人を国籍別にまとめたデータを分析した。

すると、なんと全世界196の国と地域(日本を除く)のうち、9割を超える約180の国と地域の人が東京に住んでいることがわかった。住んでいない国籍は、サンマリノ、赤道ギニア、セントビンセント、キリバスなどいくつかの国のみ。ほぼ世界中を網羅しており、極めて多国籍な都市だったのだ。最も多いのは港区で137、最も少ない千代田区でも71の国と地域の人が住む。いかに世界中の人が東京23区に集まっているか、改めて驚かされる。

国籍別の人数だと中国が圧倒的な1位で2位が韓国、3位がベトナムと続く。皆さんのイメージとそう変わらないだろう。ただ、これを10年間の増加率で見直すと、意外な印象も受ける。1位のベトナムに続き、2位がブータン、そしてウズベキスタンやスリランカ、ネパールなどとなっているのだ。