「オーダーメイドは贅沢品」が変わりつつある

「オーダーメイドは贅沢ぜいたく品」というイメージがあるが、デジタル技術の発達により、状況は変わりつつある。セミ・オーダー(パターン・オーダー)や量産型のマス・カスタマイゼーションなら、工夫次第でリーズナブルに提供できる体制が整ってきたのだ。

梶山寿子『アパレルに革命を起こした男』(日経BP社)

その際、強力なツールとなるのが、デザインシステムとホールガーメント編機のコンビネーションである。

コンピューターの画面上で客が好みのデザインを選び、自分のサイズを入力すれば、ホールガーメント編機が自分にぴったりの一着を編み上げる——この程度なら、現状でも、技術的には問題がないようだ。

さらに、ボディスキャナーが自動的に自分のサイズを読み取り、AIが似合う色やデザインを提案するといったことも、そう遠くないうちに、当たり前になるに違いない。

ちなみに、島精機では、ボディスキャナーなどもかなり前に開発済みだとか。問題は、それをいかにサービスとして実用化するかである。

大手アパレルによる大規模な事業が本格的に立ち上がるのは、もう少し先になるかもしれない。だが、時代は確実にオンデマンド型へと動いている。島さんは、こんな時が来ることを早くから予測し、それを可能にする製品を発明・開発してきたのである。

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