米ファストファッションブランド大手のフォーエバー21が、10月末をもって日本国内の全店舗を閉店した。8月にも高級百貨店が経営破綻したアメリカで、今何が起きているのか。NY在住ジャーナリストのシェリーめぐみ氏は「大型店を増やし大量生産するやり方が、消費の主役となった若い世代に受け入れられなくなった」と指摘する——。
アメリカの有名店が続々と閉店、縮小へ
バーニーズ・ニューヨーク、フォーエバー21、ディーン&デルーカ……日本でもおなじみのグローバルブランドがいま、アメリカで次々に倒産、撤退、縮小に追い込まれている。
その背景には急激に変化するリテール(小売り)環境がある。路面店よりネットで買う若者たち、都市の地価の値上がりなどがまず語られる。
しかしそれだけではない。新たにアメリカの消費の主役となったミレニアル世代、それに続くZ世代の物の選び方や価値観が決定的に変わってしまったのだ。
そこには、サスティナビリティ、ダイバーシティ&インクルージョンをはじめ、SDGsに代表される社会的責任を含む、日本の企業にとってもこれからの課題であるキーワードがはっきりと見え始めている。
急激に変貌するマーケットの動きに敏感に反応するだけでなく、これらのキーワードをクリアできなければ、どの分野のビジネスもこの先やっていけなくなることを示したと言ってもいいだろう。