LINEマンガの履歴を削除

2018年9月、関越自動車道で夫(47歳)と2台のバイクでツーリング中の女性(当時39歳)がワゴン車に轢かれ、即死した。

加害者である男性運転手(51歳)はスマホで漫画を読みながら、速度超過の状態で400メートル以上走行。前方を走る女性のバイクにまったく気付かぬまま追突、轢過したのだ。

加害者は事故直後にLINEマンガの履歴を削除し、「わき見運転だった」と主張したが、ワゴン車のフロントガラスに加害者が漫画を読む様子が映り込んでおり、その一部始終がドライブレコーダーに記録されていた。

19年8月、新潟地裁長岡支部は「一瞬の不注意による事故とは一線を画する」と述べ、「自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)」の罪に問われていた男に、懲役3年の実刑判決を言い渡している。

警察庁によると、スマホや携帯電話の操作などが原因で18年に発生した人身事故は2790件。そのうち死亡事故は、前出の女性のケースも含め42件発生しており、スマホ・携帯電話以外が原因の事故と比べると、死亡率が約2.1倍に跳ね上がる。

交通事故じたいが減少する中、逆に「ながら運転」に起因する重大事故が増えていることは、現代特有の事故形態として問題視されている。