2019年4月、東京で80代男性が運転する車が信号を無視して横断歩道へ突っ込み、母と3歳の女児が死亡した。19年6月には福岡市で80代男性の車が暴走し、2人亡くなった。
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もし親が暴走老人になったら……

高齢者の暴走運転による悲惨な事故が相次いで報道されている。そんな中で、高齢者の自動車免許の保持について見直す声が高まっている。現在、政府が検討しているのは、75歳以上のドライバーに対し、危険を察知した際に自動的にブレーキをかける安全機能がついた車種のみ運転させる施策などであるが、免許更新の際の義務化などは見送られる見込みで、細かい法制度が整備されるのはまだまだ先の話。もし、自分の親などが事故を起こした当事者だとしたら、いったい、何にいくら支払うことになるのだろうか。

「交通事故で最も損害賠償額が高くなるのは、深刻な後遺症が残るケース。この場合、被害者を死亡させるよりも高くなることがあります」。そう語るのは、これまで交通事故に関わる法律業務を多く手掛けてきた城南中央法律事務所の野澤隆弁護士。賠償額等について野澤弁護士に詳しく聞いた――。