高齢者から免許を取り上げるべきか

以上が経済面を中心としたお話ですが、お金の問題だけでなく、事故を引き起こせば“加害者の家族”として生き続けないといけません。そんなリスクから高齢の親に運転させたくないと思う方は多いでしょう。

しかし、日本の交通事故死亡者はかつて年間1万人以上でしたが、現在は4000人未満です。世界的に見ても、日本は人口あたりの交通死亡事故が世界で最も少ないほうの国なのです。

今の日本は、駅前のシャッター商店街化が止まらず大都市部以外はクルマがないと生活しづらい社会であり、外出しない生活を続ければ認知力がさらに低下するおそれがあります。結局、高齢者から免許を取り上げるのではなく、最高時速が80キロまでしか出ない車に乗ることを義務付けるなど技術面の対策を進めるのが最も現実的な考えだと、私は思っています。

(構成=鈴木俊之 撮影=小原孝博)
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