違反点数を引き上げ「一発免停」に

19年6月、道路交通法が改正され、12月1日より携帯電話やスマホを使用しながらの「ながら運転」が厳罰化されることが決まった。主な改正ポイントは以下のとおりだ。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/AndreyPopov)

携帯電話やスマホを運転中に使用(保持)した場合、改正前は「5万円以下の罰金」だったが、懲役刑を新設し、「6カ月以下の懲役、または10万円以下の罰金」となった。違反点数もこれまでの1点から3点に引き上げられ、反則金も各車種ごとに約3倍(普通車の場合、6000円が1万8000円)にアップする。

携帯電話やスマホを運転中に使用し、かつそれが交通事故などの危険に結びついた場合は、改正前の「3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金」から「1年以下の懲役、または30万円以下の罰金」となり、違反点数は2点から6点(一発免停)に引き上げられる。

運転中の携帯電話使用等の違反取り締まりは、これまでも数多く行われている。18年は1位の「最高速度違反」、2位の「一時停止違反」に次ぐ3番目、全件数(約600万件)の14%に及んでいる。「ながら運転」の危険性を考えれば、取り締まり強化や厳罰化は当然の流れだろう。

ちなみに、時速60キロで5秒間走行した場合、車は約83メートル進む。もし、5秒間スマホを注視して、前方を見ていなかったら……、それがいかに危険な行為であるか、ドライバーはいま1度自認すべきだ。

ただし、車を停止させているときであれば、運転席で携帯電話やスマホ等を使用しても違反ではない。どうしても必要なときは、必ず安全な場所に車を停めてから使用するよう心掛けたい。

(図版作成=大橋昭一)
【関連記事】
ドラレコ普及率の低さと車内不倫・密会の関係
交通事故の賠償額は被害者の「学歴」で天と地
精神科医「高学歴な人が性犯罪に突然走るワケ」
実は「暴走老人による死亡事故」は激減していた
元ヤクザなら1週間の路上生活も仕方ないのか