直ちに子が責任を負うわけではない

「危険だから運転免許を返納して」「いや、頭ははっきりしている」。この夏、親とこんな会話を交わした人は多いだろう。言葉と裏腹に、親の認知機能や身体機能は低下していることがしばしば。親の安全が気になることはもちろんだが、場合によっては子が監督責任を問われかねない。

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民法第713条は、他人に損害を加えた者が精神上の障害により責任能力を欠いていた場合、その賠償の責任を負わないことを定めている。精神上の障害には認知症も含まれる。たとえば重度の認知症患者が責任弁識能力を欠く状態で事故を起こすと、損害賠償責任を負わないことになる。