どんな人生にも、山があれば谷もある。LINEを大企業に成長させた森川氏。人生の岐路でどのような本と出会い、窮地を乗り切ってきたのか――。半生とともに振り返る。
▼『HARD THINGS』を読むと気持ちが楽になる

少し先の未来を見られるようになった

やりたい仕事があって就職したのに、希望の部署に配属されず、悶々としている若手社員は多いかもしれません。じつは僕も日本テレビに就職した当初は同じ思いでした。音楽の仕事をしたくてテレビ局に入ったのに、コンピュータ関連の部署に配属されたのです。

C Channel 社長 森川 亮氏

そのころは本当に迷走していました。キャリアに悩んで大学院でMBAを取得したり、中小企業診断士の資格を取ったり。イラストレーターに転身しようとギャラリーを始めたり、自作のアクセサリーを販売したこともありました。当時は読む本も、成功者の自伝など人の生き方に関するものが多かった。自分の迷いが読書にも反映されていたのでしょう。その後、ソニー、30代半ばでまだ小さかったハンゲーム(現LINE)に移りました。

ハンゲームはPCゲームの会社でした。おかげさまで僕が事業責任者になってから急成長。とても充実した毎日でした。しかし、あるときから急に成長が止まります。PCからガラケーにシフトする時期でしたが出遅れ、グリーやDeNAに市場を押さえられてしまったのです。そのころ社長になって再成長を目指しましたが、しばらくは厳しい時期が続きました。新事業も芽が出なかったし、グループ入りしたライブドアも苦戦。3年くらいは何をやっても結果が出ない状態だったのです。