訪日外国人客が年間3千万人を超え盛り上がる日本だが、世界でも旅行マーケットは成長中。とくに注目されているのは、旅行中のマーケットを指す「旅ナカ」だ。まさにその名前を冠したスタートアップがある。29歳の三木健司氏が率いる「タビナカ」だ。同社は現地でのオプショナルツアーの予約サイトやアクティビティ会社を自社運営し、世界で展開。孫正義氏に憧れて事業を起こした若き起業家は、どのようなビジョンを描いているのか。田原総一朗が迫る――。
南国ビーチで、裸一貫からのスタート
【田原】三木さんは孫正義に憧れて起業家になろうと思ったそうですね。高校卒業後に米国に行った。孫さんは留学していたけど、三木さんは何をしに?
【三木】孫さんが16歳で渡米したので、僕も米国で次のキャリアを考えようと思いました。米国で起業するのもいいし、難しければ孫さんのように大学に進学するのもいいかなと。
【田原】行き先はカリフォルニア。そこで具体的に何を?
【三木】まずはいろんな起業家に会いました。僕が渡米したのは2008年で、スマホが一気に普及したころ。スマホのアプリをつくっている人や、ITのサービスを立ち上げた人、それと、もともと観光には興味があったので、観光ビジネスに携わる人にも話を聞きにいきました。
【田原】それで何がわかった?