決断を数字だけで判断しない
また、決断を数字だけで判断しないようにしています。数字はすごく大事ですが、それを人間がどう解釈するかも考慮しなければ、本当の解決には繋がりません。数字だけで分析や決断をするだけなら、コンピュータでもできます。
他人の意見を検討することも、よりよい判断へ繋がります。脳を研ぎ澄まし、様々な経験を蓄積して判断していきましょう。
これまでを振り返り、フランス人と日本人について考えることは、仕事への誇りに対する表現方法の違いです。日本人は、謙虚です。自分からはひけらかさない。一方でフランス人、特にグランゼコールを卒業した人は、エリートの誇りをしっかり表に出しますね。
この違いを感じるようになってから、日本の「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉が好きになりました。フランス人に、少しは見習ってもらいたいものです。
フランスにはエリート養成校の国立行政学院(ENA)もありますが、こちらは行政の道へ進むための教育専門で、最近では反政権デモの影響で廃止が検討されているようです。
ダイバーシティが叫ばれる世の中ですから、行政だけを学ぶ学校では世論と感覚がずれてしまうのかもしれません。企業でも行政でも、これからはダイバーシティが求められるのではないのでしょうか。
そろそろ意識を変える時期にきていると思います。今こそ「ダーウィンの進化論」を再認識するべきです。
(構成=力武亜矢 撮影=泉 三郎)