私は理系のグランゼコールを卒業したわけですが、経済やマーケティングについては深い知識が欠けていたので、パリのHEC経営大学院へ進みました。
MBAを取得して、そのジャンルにも自信を付け、ミシュランに入社しました。経営やマネジメントについて理解しているので、すぐに仕事ができたのです。
ダイバーシティ時代に進化を遂げよう
私は1985年に来日して以来、日本に住んでいます。日本語は一応流暢に話せますし、こういったインタビュー取材も日本語での対応が可能です。
私のように国をまたいでビジネスをする場合、語学も必要になります。私は日本語のほかにも、英語、スペイン語、ラテン語、そしてブラジルにいたのでポルトガル語も勉強しました。
とはいえ、日本に来てからしばらくは、何も読めませんし話せませんでした。
最初はとにかく、聞くことから始めました。「これは名刺です」「これは新聞です」など、簡単な文章を繰り返し聞いていました。他の社員とミーティングをしても、はじめは5%しか理解できなかった。それでも全部書き起こして、終わってから、書いたことや、私が理解したことは正しいか、その都度確認していきました。
その結果、1年くらいで3分の1程度は理解でき、なんとか日本語で意見を伝えられるようになりました。2~3年経つと、話せるようにもなりました。
これも、ただ机に座って単語や文法を覚えるだけではなく、日本語が使われている現場に出て、言葉を学習していった賜物だと考えています。
勉強には集中力が必要ですが、集中力を高めるために、私は睡眠を重視します。疲れが集中力に大きく影響すると考えているからです。
夜の決断はよい判断ができないので、いったん寝て忘れます。翌朝起きると、8割は自然に解決案が思い浮かびます。
人間、寝る時間は大事です。睡眠は疲れを取るだけではなく、脳が機能調整する時間でもあるので、この時間を尊重しなくてはいけません。