なぜ、子供に「あと10分だよ」と言っても動かないのか
【声かけ編】
▼休憩をきり良く終わらせる方法は?
休憩で、もっとも避けてほしいのが“なんとなく休む”です。クールダウンのために机から離れてゲームやマンガを読み始め、気がつけば、ダラダラと過ごしている……。
こんなシーンに効き目があるのは、ストップウオッチやタイマーを使った方法です。休憩は時間を決めたほうが休む効果も高まります。音が鳴るタイマーを使うと、より効果的です。子供は時計を気にせずに、いま取り組んでいる勉強にも休憩にも集中できるようになります。
一つのことになかなか集中できない場合は、子供にタイマーを渡し、時間設定をさせて、サーキットトレーニングのように勉強や休憩をさせるのもおすすめです。
たとえば算数を10分やって、ピピッと鳴ったら国語を10分やって、またピピッと鳴ったら10分休憩してと、違うことを順繰りに行ってトータルで1時間という形でやらせてみてください。時間は子供に決めさせるとより効果的です。
▼なぜ、夜更かししてしまうの?
子供が夜、ゲームに夢中になってしまい、そのままお風呂に入るのが遅くなり、結局寝たのは夜の11時。そんな相談はどの学校に伺っても耳にします。
子供に早く寝てもらうには、子供に寝ることの魅力を知ってもらうことがおすすめの方法です。
眠りの力で得られることは、主に次の四つです。①頭が良くなる②足が速くなる③イライラしなくなる④きれいに・かっこよくなる。
これらを子供と話してみてください。きっと、「ちゃんと眠ったほうが次の日も勉強がはかどったな」「よく寝たら気持ちのもやもやがなくなった」など、実際の体験を思い出しながら、納得してくれるはずです。
口をすっぱくして「早く寝なさい」と繰り返すと、眠ること自体が目的になってしまい、息苦しくなってしまうかもしれません。
眠ることはあくまでも充実した毎日を送るための手段です。毎日を充実させるために眠りの力をうまく使おう、と睡眠の意味をあらためて子供に伝えてみてください。
▼なぜ、子供は「あと10分」がわからないの?
親が「あと10分で出かけるよ」と言ったのに、子供はテレビの前でのんびり。そんな経験はありませんか。子供が「あと10分だから、これくらいのペースで準備しないと」とならないのは、まだ十分な時間の見積もりをする力が身についていないから。時間の見積もりをする力はトレーニングである程度鍛えることができます。
親が「どれぐらいでできる?」「あと何分でできる?」と、一言かけることで、子供は時間を予測できるようになります。
たとえば、見たいテレビが始まるまでに30分あるとして、「その30分で、どれぐらいドリルができる?」と聞いてみましょう。そうすると、子供は「2ページぐらいかな」などと予測します。実際に取り組んだあとに、「どうだった?」と聞いてみれば、「1ページしかできなかった」などと本人は思い込みと実感との違いに気づくでしょう。
こんなふうに先を見通すことで、脳はうまく働き、だんだんと時間感覚が身についてくるのです。