なぜ「夏休みの計画」はその通りにできないのか

【倒れない計画編】
▼先延ばし癖を直すにはどうしたらいい?

自由研究や読書感想文など大物の宿題は、ついつい先延ばしになってしまう代表選手。ふだんから難しい問題集の宿題を先延ばししてしまう癖のある子も多いでしょう。こうしたハードルの高い課題に取り組むときは、前の課題が終わったら、とりあえずノートや原稿用紙などを開いて、最初の1行だけ書いておくのがおすすめ。脳は新たに行うことにストレスを感じますが、前回から続くことはラクラクとこなせるからです。つまり、課題を終えて終わりではなく、次の大物の課題を少し始めて終わり、と動作の区切りを変えることで、次の作業は驚くほどあっさりできてしまうのです。

また大きな課題を小さな課題に区切るのも手です。自由研究なら、資料を集める、資料を読む、下書きをする……、細かくパーツを区切ってひとつの作業をこなしたら、次の作業にちょっと手をつける、と重ねてやっていけば、いつの間にか終わってしまうはずです。

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▼計画倒れはどうしたら防げる?

1カ月ほどの夏休みは子供にとって、とても長く感じられます。計画倒れを防ぐためには、計画を1週間から10日ほどを一区切りにして立てることをおすすめします。

まずは「夏祭り」「習い事」といった自分の予定、「旅行」や「帰省」などの家族の予定、「絵日記」「ドリル」といった宿題、「読書感想文」や「自由研究」と夏休み中にすべきことを書き出してみましょう。

そして、1週間〜10日分の計画表に書き込んでみてください。親御さんは「習い事など予定が入っている日は宿題はたくさんできないね」などとペース配分についてアドバイスをしましょう。学校のペースが残っている夏休み前半のうちに難しいと感じる予定を入れて早めに終えてしまうのが、おすすめです。

ペースをつかむコツは、最初の4日間だけ予定通りにこなすこと。脳は4日以上続けた習慣をそのまま続けたくなるという性質があります。

▼夏休みで新しい日課を身につけるには?

片づけを習慣づけたい、朝学習を毎日やりたい、こうした新しい日課を続けるコツは、欲張らないこと。脳は新しい習慣を始める際に、大きなストレスを感じます。人は多くの日常の行動を慣れ親しんだ形で無意識に行っているので、これを変えて定着させるには“一つだけ”が大原則です。目標をいくつも書き連ねても、脳が言うことを聞いてくれず、面倒くさくなり、結局長続きしません。

新しい習慣を一つだけに絞って、4日間続けてみてください。面倒だなという感覚がなくなったら、脳がストレスを感じなくなった証拠。次の習慣づけに取り組みましょう。

別のアプローチで、場所を変えたり時間をずらしたりするのも生活習慣の変え方として有効です。脳に行動と場所や時間をひもづけて覚えさせるのです。

たとえば、「勉強机では宿題しかやらない」「朝9時からは宿題の時間」などと決めて、4日間以上続けてみてください。その場所、その時間になったら、宿題をしないと落ち着かないという状態になるはずです。