海外のお客様を美術館に案内

ビジネスパーソンに教養は不可欠です。特にグローバルな場では、これが欠けていると本当の意味で相手の信頼を得て、長いビジネス関係を築くことはできません。たとえば海外に出張に出かけますと、ビジネスの相手と夕食を一緒にとります。これがヨーロッパでは3時間半。非常に長い。話題が豊富でないと場がもちません。しかもその会話で人間が値踏みされ、仕事に響きます。教養を身につけることは仕事の一部です。

ブリヂストンCEO 津谷正明氏

私は入社してすぐに配属された部署の上司から、2つのことを言われました。1つは英字新聞を読むこと、英語の文学を読むこと。今では毎朝の英字新聞と、就寝前の読書が私の習慣になっています。もう1つは、これが重要なんですが、色々なことに関心を持ちなさいということです。それも仕事の一部だと言われました。

今では大好きな絵画も、最初はさして興味がありませんでした。しかし海外のお客様をお迎えしたとき、私が通訳として美術館にお連れする機会が多く、知らないというわけにはいかなくなりました。ある日、どうやって美術の勉強をするのがいいのかと、ブリヂストン美術館の館長に伺ったことがあります。すると「自分がまず好きな絵を見つけて、作品について少し勉強する。そんなふうに広げていけばいい」とアドバイスされました。また「専門家になるわけではないのだから、無理したらダメだよ」とも言われました。まず自分が好きかどうかが大切で、興味がないものを無理して学ばなくていいと教わったのはありがたかったです。