「8月4日同日選」と「時間差ダブル選」の2案が浮上

衆院解散のタイミングは6月から7月初頭の間に断行して今夏の参院選との同日選に持ち込む案(この場合、投票日は8月4日とするとの説がある)と、今夏は参院選単独で行っておいて今秋から暮れにかけて衆院選を行う「時間差ダブル選挙」とする案がある。

消費税率を上げるか、据え置くかという問題は、純粋に経済、財政状況をにらんで冷静に判断すべき話であって政局判断が含まれてはいけない。

しかし全く関係ない改憲問題をリンクさせて安倍氏が判断する可能性が浮上しているのだ。

「増税見送り」で安倍政権は連勝している

いつの時代も増税をテーマに行う選挙では、与党が苦戦する。だから政府・与党は選挙が近づくと付け焼き刃の経済対策を乱発し、有権者の歓心を買おうとする。安倍政権もご多分に漏れない。安倍氏の常套手段は「消費税増税の延期」だ。安倍氏は2014年の衆院選、16年の参院選を前に税率アップの見送りを表明した。

「消費税率を見送ることは、アベノミクスがうまくいっていない証左だ」という批判を受けることはあっても「それならば増税したほうがいいのか」と開き直れば野党は口をつぐむしかない。結果として14年、16年ともに自民党は圧勝した。

先にも紹介した通り、安倍氏は今、憲法改正に向けて衆参両院で改憲勢力が3分の2を維持する事を最優先に考え始めている。ならば消費税増税を見送ることで、より有利な戦いを目指そうと考えないほうが不思議だ。

「憲法を改正するために消費税増税見送り」の邪道

「選挙に勝つことだけを考えたら、消費税を上げるのをやめて衆参同日選。これが圧勝シナリオであることは間違いない」
「増税すれば自民党は20から30議席は減らすだろう。憲法改正を考えたら、その選択肢はないはずだ」
「9条改憲に異論が根強い中で憲法問題一本で選挙を戦うのはきつい。消費税増税見送りと2本柱にしたほうがいい」

自民党議員たちの間からは、こんなささやきが、そこかしこで漏れている。

選挙のために消費税増税を見送るのも、衆参同日選に打って出るのも、政治の世界では王道ではない。ましてや「憲法を改正するために消費税増税見送り」を目指すとすれば、これは邪道というほかない。

しかし、安倍氏は、政権を維持するために、時に邪道ともいえる冷徹な政治判断を行って「1強」を確立してきた。それだけに「消費税増税見送り、同日選、憲法改正」というシナリオが、日を追うごとに信憑性を帯びてきている。