「安倍首相の、安倍首相による、安倍首相のための会」

毎年4月の土曜日に東京・新宿御苑で首相主催の「桜を見る会」が行われる。各界で功労のあった人や著名人を招き、桜をめでながら和やかに飲食し懇談する会で、テレビニュースなどで見たことのある人も多いことだろう。今年は4月13日に行われた。

ただ、この会が最近「安倍晋三首相の、安倍晋三首相による、安倍晋三首相のための会」の様相を強めている。経費は国費で賄われるのだが、その額も急増中。事前に定められた予算の3倍にも上るというのだから、ただごとではない。

「桜を見る会」で招待客と記念撮影する安倍晋三首相(中央)=2019年4月13日、東京・新宿御苑(写真=EPA/時事通信フォト)

IKKOさんと「どんだけー」をするサービスも

「昨年は残念ながら桜を見る会ではなくて、葉桜を見る会となってしまいましたが、今日はお天気も良くて、八重桜がこのように咲き誇っている。本当にすばらしい一日となりました」

会の冒頭、主催者である安倍氏は、参加者を前にして満面の笑みを浮かべながらスピーチした。2012年暮れに首相に返り咲いてから7回目の春。安倍氏は2006年から07年秋にかけても1年間首相を務めているので「桜を見る会」を主催するのは8回目になる。

「平成を 名残惜しむか 八重桜」
「新しき 御代(みよ)寿(ことほ)ぎて 八重桜」

安倍氏は例年以上に上機嫌で、迫ってきた改元を意識した2首を詠んだ。その後、来客と懇談し写真撮影をして回った。ヘアメイクアーティストでタレントのIKKOさんとの撮影の際は、2人で「どんだけー」をするサービスも。周囲の笑いを誘った。