「私はすごくものわかりがいい。すぐ忖度する」

国土交通省の塚田一郎副大臣(自民)が、「忖度発言」の責任を取って4月5日に辞任した。NHKによると、塚田氏は4月1日、北九州市で開かれた福岡県知事選挙の候補者の集会で、山口県下関市と北九州市を結ぶ道路整備をめぐって、次のように話したという。

辞任を表明した塚田一郎国土交通副大臣=2019年4月5日、東京・霞が関(写真=時事通信フォト)

「皆さんよく考えてください。下関は誰の地盤か。安倍晋三総理大臣だ。安倍晋三総理大臣から麻生副総理の地元への、道路の事業が止まっているわけだ。

吉田参議院幹事長と大家敏志参議院議員が副大臣室に来て、『何とかしてもらいたい』と言われた。動かしてくれということだ。

吉田氏が私の顔を見て、『塚田、分かっているな。これは安倍総理大臣の地元と、麻生副総理の地元の事業なんだ。俺が、何で来たと思うか』と言った。私はすごくものわかりがいい。すぐ忖度(そんたく)する。

総理大臣とか副総理がそんなことは言えない。森友学園などでいろいろ言われているが、そんなことは実際ない。でも私は忖度する。

それで、この事業を再スタートするためには、いったん国で調査を引き取らせてもらうことになり、今回の予算で国直轄の調査計画に引き上げた」

安倍首相と麻生氏の2人にも責任が問われる

塚田氏は翌日になって「発言内容は事実と異なる」と撤回したが、安倍首相や麻生氏の意向を推し量って道路工事に国民の税金を使う方向付けをしたことが疑われる内容である。

塚田氏は1963(昭和38)年12月生まれの55歳。新潟県知事や衆院・参院議員を務めた故塚田十一郎(といちろう)氏の五男だ。2007(平成19)年に参院議員(新潟選挙区)選挙で初当選。昨年10月の第4次安倍改造内閣で、国土交通副大臣に就任していた。

副大臣の職を辞するのは当然だ。いや、それだけでは足りない。国会議員も辞め、一から出直すべきである。塚田氏の政治家としての資質が大きく問われている問題だからだ。

塚田氏はネット上に自らの短所を「慎重すぎる所」と書いている。こんな発言をする性格のどこが慎重なのか、あきれてしまう。

塚田氏は麻生氏の秘書を経験した後、麻生派の国会議員として政治家になった。直接の親分は麻生氏であり、その上に麻生氏の朋友である安倍首相がいる。塚田氏以上に責任が問われるのは、安倍首相と麻生氏の2人のはずである。