読売も「思慮を欠く発言にあきれる」と突き放す

次に読売新聞の社説(4月6日付)を見ていこう。見出しが「思慮を欠く発言にあきれる」で、こう書き出す。

「職責の重さを自覚しない発言にあきれるばかりだ。辞任を巡る安倍内閣の対応も後手に回った。緊張感を欠いていると言わざるを得ない」

安倍政権擁護の読売社説もかばいようがないようだ。

さらに「公共事業を所管する副大臣として、資質を疑う。野党は国会で追及する構えを取っており、自民党内でも統一地方選や夏の参院選への影響を懸念する声が強まっていた。事実上の更迭とみられる」と書く。

更迭はいいが、トカゲの尻尾切りでは困る。

「長期政権ゆえの驕りや緩みが目立つ」

読売社説は「塚田氏が発言したのは、福岡県知事選での新人候補の集会だ」と指摘しながら解説する。

「現職に麻生氏が推す新人が挑む保守分裂の構図だ。麻生派の塚田氏は、劣勢とされる陣営をテコ入れしようとして、政権の取り組みを誇示したのだろう。利益誘導を図ったと受け取られかねない」
「首相は当初、続投させる考えを明言していた。対応が遅れた背景には、塚田氏が参院新潟選挙区で改選を迎えるという事情もある。定数減で1人区となっており、選挙直前の辞任は避けたいとの判断が働いたのではないか」

塚田氏の選挙に勝つための利益誘導と安倍首相の選挙対応。いずれも党利党略であり、国民のことなど考えていない。読売社説の指摘は当を得ている。

さらに読売社説は「長期政権ゆえの驕りや緩みが目立つ。惰性を排して、政策面で結果を出さねばならない」とも主張する。

これまで沙鴎一歩は読売社説を「安倍政権擁護の社説だ」と批判することもあった。だが、今回の読売社説を読んで、まだ捨てたものではないことが分かった。

(写真=時事通信フォト)
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