公明党は真っ向から「同日選」に反対
今夏の参院選日程にあわせて衆院を解散し衆参同日選を行うという流れが、日々強くなっている。
マスコミの報道ぶりでは、過去2回の衆参同日選で自民党が圧勝したこともあり、今回も自民党が勝ち野党が惨敗するとの見立てが多いようだ。本当にそうだろうか。冷静にデータを分析すると、同日選は、今の自民党には有利にならない。思わぬ苦杯をなめる可能性も十分あるのだ。
「公明党が同日選を容認するような報道もあるが、われわれは妥協する気は毛頭ありません」
22日朝、自民、公明両党の幹事長、国対委員長会談(通称・2幹2国)で公明党の斉藤鉄夫幹事長は、カウンターパートの二階俊博自民党幹事長に向かってはっきりした口調で語った。温厚な性格の斉藤氏が、自民党に正面から苦言を呈するのは珍しい。
二階氏が「参院選で勝つために衆院を解散するということはありえない」と取りなして2幹2国は終わったが、連立のパートナー公明党が同日選に強い違和感を持っているのを示す象徴的なシーンだった。
同日選での過去2回の勝利は「昭和」の話
衆参同日選は過去2度行われている。1回目は1980年、野党提出の内閣不信任決議案が予想外の展開で可決してしまい、時の大平正芳首相が衆院解散して参院選との同日選を選んだ。いわゆる「ハプニング解散」だ。2回目は86年、当時の中曽根康弘首相が抜き打ち的に断行した「死んだふり解散」だ。
2回とも、自民党は衆参ともに勝利。特に86年では自民党は衆院で300議席を獲得する歴史的大勝を達成した。この成功体験から、自民党内では参院選で苦戦が予想される時に、同日選を求めることが少なくない。
しかし、この成功体験は33年前と39年前の昭和時代の話。平成を通り越えて令和に通用するかどうかは別の話だ。