規模もインパクトも「小玉」な平成最後の新党

平成最後にデメリットしかみえないという新党が誕生した。合併を念頭に交渉を続けてきた国民民主党と自由党は、曲折を経て合流の合意に達したのだ。「平成最後の合併」は実現したが、この政党は、きたる令和の政治決戦で、安倍1強を脅かす存在になるようには見えない。

プレジデントオンラインではこの政党について、国民民主党の玉木雄一郎代表、自由党の小沢一郎共同代表の名字から1文字ずつとって、「小玉」民主党と名付けたい。規模もインパクトもまさに小玉。迫力不足の政党としての船出となる。

国民民主党と自由党の合併で合意し、調印文書を見せる国民の玉木雄一郎代表(右)と自由の小沢一郎代表=4月26日未明、東京・永田町の国民民主党本部(写真=時事通信フォト)

「小が大をのみ込む」構図にしか見えない

合併問題を協議するために開かれた国民民主党の両院議員懇談会と議員総会は、4月25日午後6時半に始まり、結論が出た時は26日になっていた。

玉木氏と小沢氏が共同記者会見に臨んだのは26日午前2時。民主党政権の「決められない政治」の時代は、決定が翌日にもつれ込むことも少なくなかったが、最近では珍しい光景だ。

疲れを隠せない玉木氏は会見で、声を絞るように「自民党に代わるもう1つの政権を担いうる選択肢をつくる第一歩だ」と語った。

存続政党は国民民主党。党名も国民民主党。基本理念、政策、規約なども、すべて国民民主党のものを踏襲する。自由党は解党し、小沢氏は主要なポストにはつかない。国民民主党の所属議員は58人。自由党から国民民主党に加わるのは6人。数の差も圧倒的だ。

形式的には国民民主党が自由党を吸収合併した。国民民主党の圧勝にみえる。ところが永田町では、誰もそう思わない。自由党に小沢氏がいる以上「小が大をのみ込む」構図にしか見えないのだ。