「攻撃型空母」誕生は本当か?

政府は「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」を閣議決定し、海上自衛隊最大の護衛艦である「いずも」と「かが」を事実上の空母に改修する方針を固めた。それらへ搭載する最新鋭ステルス戦闘機F-35B(42機)も導入する。日本周辺海域での防衛力強化が目的だ。安全保障に詳しいジャーナリストの伊藤明弘氏は補足する。「領海を含めた日本の排他的経済水域の面積は国土の約12倍で、世界第6位の規模。中国軍機、ロシア軍機の日本領空接近が頻発しているうえ、北朝鮮の脅威にも大きな変化はなく、既存の防衛力ではカバーできていない」。

海上自衛隊最大のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」(海自提供)。(時事通信フォト=写真)

だが、改修で「いずも」と「かが」が憲法で保有を禁じられた「攻撃型空母」と化し、戦後の日本が貫いてきた「専守防衛」のスタンスから外れてしまうとの批判もある。「専守防衛」とは、「武力攻撃を受けたら反撃する」というものだ。そこで、F-35Bを常に搭載するわけではなく、緊急時や訓練時などに限ると政府は明言している。

もっとも、仮に常時搭載しても、すぐさま「攻撃型空母」と呼べる戦力とはならないのが現実らしい。「海上自衛隊には戦闘機運用の実績がなく、パイロット育成には相当な歳月が必要」(伊藤氏)。航空自衛隊と共同で運用するにしても、縦割り組織で一朝一夕に進む話ではない。