地方の人材流出を止められるか
2019年3月初旬、業種別に設定される最低賃金を、政府が全国一律化する検討に入ったと報道されて話題を集めた。直後に菅義偉官房長官は「現時点で厚生労働省として具体的に検討していない」と発言したが、与党の議員連盟は地域別最低賃金の全国一律化推進の検討を始めた。
最低賃金とは、法律によって労働者に保障された賃金(時間給)の最低水準である。厚生労働大臣の諮問機関が示した目安をもとに、都道府県ごとに地域別で定められている。2018年度は最高が985円(東京)であったのに対し、最低が761円(鹿児島)。この賃金格差から都市部へと人材が流出しやすいうえ、19年4月から受け入れ拡大が始まった外国人労働者も都市部に集中し、地方の人手不足がさらに深刻化する恐れがある。
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