15分遅れると言って実際は30分遅れてしまった。そんな修羅場をどう乗り越えるか。大阪観光局長の溝畑宏氏に聞いた――。

「安倍総理とアポ取ったら絶対遅れへんやろう」

大阪観光局長 溝畑 宏氏

遅刻してしまったとき、待ってた相手の反応は2つに分かれると思います。1つ目は、最初にひとしきり怒りをぶつけてから本題に入る人。もう1つは、向こうが急いでいて、さっさと話に入るためにその場では怒りを見せない人。

いずれにしても相手は怒っているんですけど、そもそもなぜ人は遅刻されると怒るのかって、自分がなめられてると感じるからですよね。僕なんかよく言われたことあります、皮肉たっぷりに「溝畑さん、あんた安倍総理とアポ取ったら絶対遅れへんやろう」って。

でもコミュニケーションがぎくしゃくすることは、相手も望んでいないわけですよ。早く怒りを吐き出して気持ち良くなったら、次、本題に入りたいんです。

そういうときなんかは、「あぁもうすみません。もう宏って本当に駄目、遅刻しちゃって……」と言って、もうひたすら自虐的に自分を責めて変態になりきる。そうすると場を和らげつつ、自分が反省していることも伝えられるんです。

「このやろう」と一発怒ってすっとする人もいれば、長く言葉を出せない人もいるのを一気に解決するには、相手が言いたいことを自分で全部先に言って、怒られ役と怒り役を同時にやっちゃうことですね。