夕方6時から深夜12時まで社長の家の前で正座
今のは遅刻しても待っててくれた場合ですけど、帰っちゃう人もいるわけです。そういうときは、家や会社まで行って謝る。
大分トリニータ時代、スポンサーを怒らせたときは、相手の会社の1階で社長が出てくるまで土下座して待ってたこともあります。社員がみんな見ているわけですよ、こいつ何者かないうて。でもそんなの関係ない。「社長、これやらないと気が済まなくて眠れないんです」って言ったら笑って許してもらえました。
相手の家の前でずっと土下座してたこともありましたよ。スポンサーの年間予算5000万円のところを、朝日ソーラーさんから2000万円近く約束しとりました。当時社長の林武志さんとホテルで1時待ち合わせやったんですけど、とても時間に厳しいお方で、1分遅れたら帰ってもうたんです。
「やばい、これで2000万円が消えたら大変や」と思って、その後のパーティーから何まで全部欠席して、夕方6時ごろから林社長の家の前でじっと正座しておった。そうしたら夜中12時ぐらいに林社長が出てきて、「おまえは普通の公務員と違って根性ある。今回のこと反省しろよ」って、すぐその場で1000万円の手配をしてくれはったんですよ。これはちゃんと謝罪の気持ちが伝わりました。
最後に、いい謝り方と悪い謝り方を教えると、いい謝り方というのは、いろんな外的な理由は言うけど最後は自分の時間管理の悪さを謝る。悪い謝り方は、外的要因のせいばかりにして、自分の正当性を主張する。
あと、遅れるときは早めに連絡するのも大事ですね。15分遅れると言って実際は30分遅れそうというときは、随時連絡を入れる。そうしたら「反省しているんやな」と、意思が伝わるし、相手の理解というかプライドはまだ維持できると思います。
良い言い方=早く本題に入れるよう動く
ダメな言い方=人のせいにして逃げ切りを図る
大阪観光局長。1960年生まれ、東京大学卒業。自治省(現総務省)に入省後、大分県庁に出向し、大分トリニータを育てあげた。2010年に観光庁長官、16年より現職。大阪を「急成長渡航先ランキング」で世界1位にさせた。