年収630万円▼経費で落ちない“仕事飲み”がつらすぎる
30代 編集者 太田 穣さん(仮名)

仕事には満足も将来が不安

太田穣さん(仮名・30代)。中学生のころから本の虫となり、読書や映画、音楽に没頭。現在に至るまでサブカル貧乏生活が続いてしまっている零細出版社の編集者だ。

写真=iStock.com/dobok

「もともとは大手マスコミで働いていたのですが、会社の働き方が合わず退職。その後、職を転々としていましたが、4年前、ようやく今の会社で雇ってもらえました」

大学卒業後は大手マスコミ業界というだけあり、給料は同世代に比べて高い水準だった。経費も比較的自由に使えたこともあり、趣味への出費は一気に増えたという。

「本屋に行けば、最低数万円は買っていました。書籍だけで10万円分は買っていましたね。仕事柄、細かい休みは取れないため、まとまった休みが取れたときは思い切ってヨーロッパなどに1週間ほど海外旅行に行っていました」

そんなこともあり、現在に至るまで太田さんの貯金額はほぼゼロ。

現在勤める出版社の月収は額面で45万円。ボーナスはもらっていない。収入は年収900万円だったかつてよりは下がったという。

「副収入として、知人から頼まれたライター仕事をこなすこともありますが、せいぜい月に3万円程度。生活はギリギリどころか赤字ですね」

その要因はなんだろうか。

「まず、固定費が多いことですかね。大学時代の奨学金の返済が残り100万円。これを毎月3万円返しているのに加え、大学院に通う弟にも私が月2万円援助しています」

独身で体も強いほうではないという太田さんは、最近、貯蓄型の生命保険に入った。

「知り合いの営業マンに勧められるまま、外資系保険会社に毎月2万円。あとはほとんど趣味と業界関係者との飲み代に消えます」